このページの要点
- 顔が写る写真・動画は個人情報(個人情報保護法2条1項1号)。利用目的をできる限り特定し(17条1項)、申込書面などで取得する場合はあらかじめ明示する(21条2項)。
- 手配先への提供は、委託(27条5項1号)、共同利用(同項3号)、本人の同意による第三者提供(27条1項)のどれかに当てはめる。委託先は監督する(25条)。
- 健康に関する申告は任意にし、目的を限定し、共有範囲を絞り、撮影後は消去する。病歴などは要配慮個人情報となり得る(2条3項・20条2項)。
- 同行者や未成年者の情報は、必要最小限にして利用目的を通知または公表する(21条1項)。保管期間と消去(22条)、開示等の請求(33条〜35条)、漏えい時の報告(26条)も決める。
結論:撮影データは顔が写る個人情報。集める情報ごとに「目的」と「渡し先」を決める
撮影サービスが集める情報は、氏名や連絡先だけではありません。顔が写った写真や動画、挙式の日取り、同行者の人数や関係、衣装のサイズ、体調に関する申告、決済の記録、問い合わせのやり取りなど、幅広い情報が集まります。しかも、前撮りやロケーション撮影では、衣装、ヘアメイク、装花、会場、移動手段の手配先と情報を共有しなければ、サービスが成り立ちません。誰に、どの情報を、どの立場で渡すのかを整理しておくことが、個人情報の取扱いの中心になります。
個人情報保護法は、個人情報を取り扱う事業者に、利用目的の特定(17条)、取得時の通知または明示(21条)、目的外の利用の制限(18条)、安全管理措置(23条)、委託先の監督(25条)、第三者提供の制限(27条)などを求めています。規模の大小は問われず、個人情報データベース等を事業の用に供している者は、個人情報取扱事業者として、これらの義務を負います(同法16条2項)。個人の撮影者や小さな撮影会社も、対象になり得ます。
このページは、一般的な条文と整理の方法です。個別の運用への当てはめは、情報の取り方や、手配先との関係によって異なります。プライバシーポリシーの書き方ガイドでプライバシーポリシー全般の書き方を扱うので、ここでは、撮影パッケージに特有の、手配先との情報の受け渡しと、同行者や健康に関する申告の扱いに絞ります。写真の著作権は結婚写真の著作権と使える範囲で、実績として載せる同意は撮影した写真を実績として載せる同意で、手配先との責任分担は衣装・ヘアメイク・装花の提携先との責任分担で扱います。
先に結論を並べます。
- 撮影した写真・動画は、顔が写っていれば個人情報にあたる。特定の個人を識別できる情報だからで、氏名がなくても該当し得る(個人情報保護法2条1項1号)。
- 集める情報を棚卸しして、情報ごとに利用目的と渡し先を決める。目的は「できる限り特定」する(17条1項)。
- 手配先への提供は、三つの区分のどれかに当てはめる。委託、共同利用、本人の同意による第三者提供(27条1項・5項)。区分によって、必要な手続が違う。
- 健康に関する申告は、必要な範囲に絞る。内容によっては要配慮個人情報にあたり、取得に本人の同意が要る(2条3項、20条2項)。
- 同行者・未成年者の情報は、申込者からの間接的な取得になる場合がある。取得の経路と、同行者への案内を決める。
- 保管期間と削除、本人からの開示等の請求への対応を、先に決める。利用する必要がなくなったら、遅滞なく消去するよう努める(22条)。
個人情報の整理を始める前に、手元に置くもの
- 申込フォーム、問診・申告のフォーム、同意書の項目の一覧(何を、どの書類で集めているか)
- 手配先の一覧と、各手配先に渡している情報(氏名、連絡先、サイズ、体調の申告、人数 など)
- 写真データの保管場所(自社の端末、クラウド、撮影者の手元)と、保管の期間
- 現在のプライバシーポリシーや、利用目的の記載(申込書・規約の中の記載を含む)
集まる情報を棚卸しする:何を、いつ、どこから集めているか
最初の作業は、集めている情報の洗い出しです。申込みの時点、撮影の前、撮影の当日、納品後という時間の流れに沿って並べると、漏れが少なくなります。
撮影サービスで集まる情報の棚卸し(一般的な例)
| 時点 | 集まる情報 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 申込み | 氏名、連絡先、挙式の日取り、希望のプラン、同行者の人数、希望の雰囲気 | 契約書面や申込フォームに記載された本人の情報を取得するときは、あらかじめ利用目的を明示する(21条2項) |
| 撮影の前 | 衣装のサイズ、身長、ヘアメイクの希望、アレルギーや体調の申告、当日の連絡先、同行者の氏名や年齢 | 体調に関する申告は、内容により要配慮個人情報にあたり得る。必要な範囲に絞る |
| 撮影の当日 | 顔写真・動画・音声、現場での会話の記録、同行者の写り込み | 撮影データそのものが個人情報。撮影の場で、利用目的を知らせる |
| 決済 | 支払いの記録、振込の情報、返金先の口座情報 | カード番号などは、決済代行サービスに任せ、自社では保持しない運用が多い |
| 納品 | 納品先のメールアドレス、ダウンロードの履歴、データの共有リンクの記録 | 共有リンクの有効期間と、閲覧できる人の範囲を決める |
| 納品後 | 問い合わせ、クレームの記録、アンケートへの回答、再撮影の依頼 | アンケートの回答を、広告や実績に使うかは別に同意を取る |
| ウェブサイトの閲覧 | アクセスログ、Cookie、端末の情報 | 個人を特定できるかは状況による。ウェブサイトの扱いはプライバシーポリシーの書き方ガイドで扱う |
棚卸しでは、情報ごとに、次の四点を書き出します。(1)何のために使うか、(2)誰が見られるか、(3)どこに保管するか、(4)いつ消すか。この四点が書き出せない情報は、集める必要がないか、運用が整理できていない可能性があります。「念のため」で集めた情報は、利用目的が曖昧になり、保管と削除の管理も複雑になります。
利用目的の特定と、本人への明示
個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うにあたって、利用の目的をできる限り特定しなければなりません(個人情報保護法17条1項)。利用目的を変更するときは、変更前の目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えてはいけません(同条2項)。そして、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定された目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことも、許されません(18条1項)。
取得のときの手続も、書面での取得か、それ以外かで分かれます。契約書その他の書面(電磁的記録を含む)に記載された本人の個人情報を取得する場合や、本人から直接書面に記載された個人情報を取得する場合は、あらかじめ、本人に対し、利用目的を明示しなければなりません(21条2項)。それ以外の場合は、速やかに、利用目的を本人に通知し、または公表します(同条1項)。申込フォームや申込書で情報を集める撮影サービスは、多くの場合、前者の「明示」が必要です。フォームの入力欄の近く、または送信ボタンの前に、利用目的を表示します。
撮影パッケージの利用目的は、おおむね次の項目で整理できます。
- 撮影サービスの提供(予約の管理、日程の調整、現場での連絡、撮影、編集、納品)
- 手配先との連携による、衣装、ヘアメイク、装花、会場、移動手段などの手配と、サービスの履行
- 料金の請求、決済、返金に関する処理
- 問い合わせへの対応、アフターサポート、再撮影・追加注文の連絡
- 撮影データの保管、バックアップ、納品後の再送
- 規約に基づく義務の履行、紛争やクレームの対応
- 同意を得た場合に限る、実績の紹介・広報への掲載(同意の取り方は実績掲載の同意で扱います)
- サービス改善のための、統計的な分析やアンケートの実施
最後の二つは、他の目的とは性質が異なります。実績掲載は、本人の同意を前提にする目的です。サービス改善やアンケートは、個人が識別されない形にして使うのか、識別される形で使うのかを区別して書きます。「サービスの提供及びこれに付随する業務」といった漠然とした書き方に頼らず、具体的な業務を並べるほうが、利用目的の特定として適切です。
書き方の例(一般的な例) 利用目的の書き方
撮影・納品
理由業務の単位まで書くと、特定が具体的になる
手配先との連携
理由手配先への提供は、本人が知っておくべき事項。書かないと目的外の利用や第三者提供の説明が不足する
実績掲載
理由承諾を前提にする目的は、その旨を書く
その他
理由包括的な表現は、目的の特定として不十分と受け取られやすい
手配先に情報を渡す:委託・共同利用・第三者提供の三つの区分
撮影パッケージで最も整理が必要なのが、手配先への情報の提供です。個人データを他の事業者に渡すとき、原則は、あらかじめ本人の同意が必要です(個人情報保護法27条1項)。ただし、次の場合は、データの提供を受ける者が、「第三者」に該当しないものとして扱われます(同条5項)。
- 委託(5項1号):利用目的の達成に必要な範囲内で、個人データの取扱いの全部または一部を委託することに伴って提供される場合。
- 共同利用(5項3号):特定の者との間で共同して利用される個人データを、その特定の者に提供する場合。あらかじめ、共同利用する旨、データの項目、共同して利用する者の範囲、利用する者の利用目的、管理について責任を有する者の氏名または名称・住所などを、本人に通知し、または本人が容易に知り得る状態に置く必要がある。
この二つにあたらない場合は、本人の同意を得る第三者提供になります。三つの区分のどれに当たるかは、手配先が、提供された情報をどう使うかで決まります。
手配先への提供の三つの区分
委託
撮影会社の業務を、手配先が代わりに行うために情報を預ける
- 手配先は、撮影会社の指示の範囲で情報を使い、自社のために使わない
- 撮影会社は、委託先に対して必要かつ適切な監督を行う(25条)
- 本人の同意は不要。ただし、利用目的の中に、委託することを含めておく
共同利用
撮影会社と手配先が、共通の目的で、同じ情報を一緒に使う
- 共同利用する旨、項目、範囲、目的、責任者を、事前に通知または公表する
- 手配先が自社の目的でも使う場合は、委託ではなく、この区分か、第三者提供になる
- 責任者(管理について責任を有する者)を一つに決める
第三者提供(同意あり)
手配先が自社のために情報を使う。本人の同意を得て渡す
- 何を、誰に、何のために渡すかを示して、同意を取る
- 手配先が、受け取った情報を自社の顧客情報として保持するなら、この区分
- 写真を手配先が掲載する場合も、この区分になることが多い
区分は「手配先が情報をどう使うか」で決まります。契約書や規約に「委託」と書いても、実際に手配先が自社のために保管・利用していれば、委託とは評価されない場合があります。
手配先ごとの、情報の渡し方と区分の考え方(一般的な整理)
| 手配先 | 渡す情報の例 | 区分の考え方 |
|---|---|---|
| 衣装の提供 | 氏名、連絡先、サイズ、当日の来店・受取の日時 | 衣装の提供を撮影会社の業務の一部として代行するなら委託の整理が成り立つ。手配先が自社の貸出契約として顧客管理をするなら、別の区分を検討する |
| ヘアメイク | 氏名、連絡先、希望のスタイル、アレルギーなどの申告 | 施術上の安全のために必要な範囲に絞る。申告の内容が要配慮個人情報にあたる場合は、取得と提供の同意を確認する |
| 装花・小物 | 氏名、当日の日時と場所、色の希望 | 提供する情報は最小限にとどめる。写真の掲載を希望する場合は、実績掲載の同意とは別に扱う |
| 会場・式場 | 氏名、人数、日時、撮影の内容 | 会場の利用規約に基づく提供は、手配先の側の取扱いになる。会場の個別ルールは別のページで扱う |
| 移動手段の運行者など | 氏名、人数、体調に関する申告、緊急連絡先 | 安全確保のために必要な範囲に限る。申告の扱いは、後の節の要配慮個人情報の整理に従う |
| 外部の撮影者 | 氏名、連絡先、撮影の内容、写真データ | 委託先として監督する。撮影者が自社の実績に使うかは、別に同意を取る(撮影者に撮影を任せる契約) |
委託する場合、撮影会社は、委託先の個人データの安全管理が図られるよう、必要かつ適切な監督を行います(25条)。実務では、手配先との契約書または覚書に、目的外の利用の禁止、再委託の禁止または承諾制、安全管理措置、事故の連絡、終了時の返却・削除を書きます。一つの手配先に対して、委託の部分と、第三者提供の部分が同居する場合は、情報の項目ごとに区分を分けて整理します。
クラウドの保管サービスや、データ共有サービスを使う場合は、そのサービスの提供者が、どの立場で個人データを取り扱うか(たとえば、保存するだけで内容を取り扱わない契約か)によって、整理が変わります。サービスの運営会社が外国にある場合は、外国にある第三者への提供の制限(28条)との関係も問題になります。この整理は、サービスの契約内容と、個人情報保護委員会が公表している資料の確認が必要です。
健康状態などの申告:要配慮個人情報と、必要な範囲
ロケーション撮影では、安全のために、アレルギー、持病、妊娠の有無、体調、服用している薬、車酔い・高所への不安などの申告を求めることがあります。この申告は、情報の性質上、慎重な取扱いが必要です。
個人情報保護法は、「要配慮個人情報」という類型を設けています。本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報です(2条3項)。要配慮個人情報は、法令に基づく場合や、人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合であって本人の同意を得ることが困難であるときなどを除き、あらかじめ本人の同意を得ないで取得してはなりません(20条2項)。また、オプトアウトによる第三者提供の対象にもなりません(27条2項ただし書)。
どの申告が要配慮個人情報にあたるかは、条文の「病歴」や、政令で定める記述等に当たるかで決まります。「アレルギーがある」という申告が当たるのか、「妊娠している」という申告が当たるのかは、この文言だけでは確定できません。条文と政令、個人情報保護委員会の資料で確認が必要です。実務では、当たる可能性を考慮して、次の運用にしておくのが、安全側の整理です。
- 任意にする:申告は任意であること、申告しない場合でも撮影を断らないこと(安全上の理由で断る場合はその基準)を示す。
- 目的を限定する:撮影スタッフの安全への配慮、撮影内容の調整のために使うことを、フォームの近くに書く。
- 同意を取る:申告を求める時点で、「この情報を、安全の確保のために、必要な範囲で手配先のスタッフと共有する」旨を示し、同意を得る。
- 共有範囲を絞る:手配先全員に渡さず、安全に関わる担当者にだけ渡す。
- 保管しない、または短くする:撮影が終了した後は、申告の情報を速やかに消去する。
- 医学的な判断をしない:撮影の可否を、医学的に判断するのではなく、申告を踏まえて、撮影の方法を調整する(休憩の頻度、移動の方法、衣装の素材 など)。
確認の問いと理由健康に関する申告を求める前の、確認の問い
申告がなければ、撮影サービスの提供はできないのか。
申告を必須にすると、同意の自発性が疑われる。必須の項目と任意の項目を分け、必須の理由を説明する。
申告の内容を、どの手配先に、どの範囲で渡すのか。
全員に渡すと、必要のない人にまで情報が渡る。担当者を絞り、渡す項目も絞る。
申告の情報は、撮影が終わったらいつ消すのか。
利用する必要がなくなった個人データは、遅滞なく消去する努力義務がある(22条)。終了後に残す理由がなければ、消去の時点を決める。
体調不良の申告があった場合、撮影を止める基準は誰が決めるのか。
医学的な判断は事業者の業務ではない。中止の判断者と基準は、荒天時の中止の整理と合わせて、安全上の指示として規約に定めておく。
同行者・未成年者の情報:申込者を通して集めるとき
撮影の申込みをするのは通常、新郎新婦のどちらか、または両名です。同行者の氏名、年齢、関係、体調の申告などは、申込者を通して集まることがあります。この場合、同行者本人からではなく、申込者から間接的に取得する形になります。個人情報の取得そのものは、本人から直接でなくても、偽りその他不正の手段でなければ許されます(20条1項)。ただし、取得した個人情報の利用目的は、取得後速やかに、本人に通知し、または公表します(21条1項)。同行者本人に通知することが難しい場合は、公表(ウェブサイトのプライバシーポリシーなど)で足りる、と整理することが多いです。
実務の工夫としては、次のものがあります。
- 申込時に、同行者の情報を提供する場合は、同行者の了解を得ていることを確認する欄を設ける。
- 同行者の情報は、必要最小限(当日の連絡先、人数)にとどめる。
- 撮影の当日に、同行者に、写真に写ること、撮影データの扱い、掲載の有無を口頭または書面で伝える。
- 未成年者が写る場合は、親権者などの法定代理人から、同意を得る。
- 同行者の個人情報に関する問合せは、申込者を通さず、同行者本人からも受け付ける。
未成年者の同意の取り方は、年齢により運用が分かれます。年齢の線引きは、個人情報保護委員会のガイドラインに目安が示されているので、そちらを確認したうえで、サービスの方針を決めます。実務では、小さな子どもは親権者が代わって同意し、一定の年齢以上の未成年者は、本人と親権者の両方に確認する運用が見られます。
保管期間・削除・開示等の請求・漏えいのとき
最後に、情報のライフサイクルの終わりの部分を整理します。個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内で、個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければなりません(22条)。撮影データについては、納品後も一定期間保管して、再送の依頼に応じる運用が多くあります。保管期間は、サービスの内容と納品の方法に応じて決め、規約やプライバシーポリシーに書きます。保管期間が終わったデータが、お客様の手元にもない場合は、再送できないことになるので、お客様自身のバックアップを促す案内もあわせて書きます(納品と保管は撮影データの納品と検収で扱います)。
撮影データと関連情報の、保管と消去の時間軸(例)
- 申込み申込情報、同行者の情報を取得する利用目的を明示する
- 撮影の前日まで体調などの申告を受け付け、必要な担当者にだけ共有する申告は任意。共有範囲を絞る
- 撮影日撮影データを取得する。当日の申告を消去の対象に加える撮影後、申告の情報は速やかに消去する
- 納品後撮影データを一定期間保管し、再送の依頼に応じる保管期間を、規約に書く
- 保管期間の終了時データを消去する。バックアップの消去も含める消去しないデータ(会計の記録など)は、別に保管期間を決める
具体的な期間は、サービスの内容に応じて「一定の期間」として個別に決めます。
本人からの請求にも備えます。保有個人データ(個人情報取扱事業者が開示、訂正、利用停止などを行う権限を有する個人データ、16条4項)について、本人は、開示(33条)、訂正等(34条)、利用停止等(35条)を請求できます。事業者は、保有個人データに関する事項(事業者の名称、利用目的、請求の手続など)を、本人の知り得る状態に置かなければなりません(32条1項)。窓口と手続を、プライバシーポリシーに書いておきます。
また、個人データの漏えい、滅失、毀損その他の安全の確保に係る事態で、個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして規則で定めるものが生じたときは、個人情報保護委員会への報告と、本人への通知が必要です(26条)。撮影データは、顔が写る性質上、漏えいすると影響が大きいので、共有リンクの管理、撮影者の端末の管理、手配先への提供後の取扱いを、あらかじめ整えておくことが大切です。
起きがちなこと
個人情報の取扱いで起きがちなこと
- 申込フォームの入力欄の近くに利用目的がなく、規約の奥にしか書かれていないため、明示したとは言いにくい状態になっている。
- 手配先を「委託先」と書きながら、手配先が自社の顧客リストにお客様の情報を登録していた。
- 体調に関する申告を必須にし、書かなかった人の予約を断ったため、同意の自発性を疑われた。
- 申告の情報が、全ての手配先に共有され、撮影終了後も、メールやチャットに残り続けた。
- 同行者の氏名や年齢を申込者から取得したが、同行者への利用目的の通知も公表もしていなかった。
- 撮影データの共有リンクが、期限なく有効で、転送されたリンクから第三者が閲覧できる状態になっていた。
- 保管期間を決めておらず、問合せのたびに古いデータを探し、削除の依頼にも対応できなかった。
- プライバシーポリシーの窓口が、実際には対応していないメールアドレスになっていた。
よくあるご質問
撮影した写真や動画は、個人情報にあたりますか。
顔が写っていて特定の個人を識別できる写真・動画は、個人情報にあたります(個人情報保護法2条1項1号)。氏名が書かれていなくても、他の情報と容易に照合できれば該当し得ます。撮影データを検索できる形で管理していれば、個人データとして、安全管理措置などの義務の対象にもなります。
衣装店やヘアメイクに、お客様の連絡先やサイズを渡すとき、同意は必要ですか。
渡し方の区分によります。手配先が撮影会社の業務を代行し、自社のために使わないなら委託として整理でき、本人の同意は不要です(個人情報保護法27条5項1号)。手配先が自社のために使うなら、共同利用の通知か、本人の同意による第三者提供になります。区分は、手配先の使い方で決まります。
体調やアレルギーの申告を求めてもよいですか。
安全のための申告を求めること自体は一般的です。ただし、病歴などにあたる申告は要配慮個人情報となり得て、取得にあたり原則として本人の同意が必要です(個人情報保護法2条3項、20条2項)。任意にする、目的を安全の確保に限る、共有範囲を絞る、撮影後は速やかに消去する、という運用が安全側の整理です。
同行者の氏名や年齢を、申込者から聞いて控えてよいですか。
取得そのものは、偽りその他不正の手段でなければ可能です(個人情報保護法20条1項)。ただし、取得後は速やかに利用目的を通知または公表する必要があります(同法21条1項)。同行者の情報は必要最小限にとどめ、申込時に同行者の了解を確認する欄を置くと、運用しやすくなります。
撮影データはいつまで保管し、いつ消せばよいですか。
利用する必要がなくなった個人データは、遅滞なく消去するよう努める義務があります(個人情報保護法22条)。保管期間は法令で一律に定まっていないため、再送の依頼に応じる期間など、サービスの内容に応じて決め、規約とプライバシーポリシーに書きます。お客様自身のバックアップを促す案内も、あわせて書きます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の撮影サービスへの当てはめは、プランの内容や手配先との契約の仕組み、申込みの経緯によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や契約を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 文化庁